妖アパ・妖怪アパートの幽雅な日常 アニメ第1怪「夕士と寿荘」あらすじ・ネタバレ・見どころ・感想など
アニメもマンガにならって「回」表記は ”怪” です。妖怪の話だから怪、こういう当て字日本語ならではでいいですよね、好きです。
小説・マンガも未読、アニメ未視聴の方には一部ネタバレを含みますので、その点はご留意ください。 では、アニメ版妖怪アパートの世界へご一緒に!
収録話
アニメ妖アパ・妖怪アパートの幽雅な日常 第1怪「夕士と寿荘」には次のお話がまとめられています。
小説では 第1巻のこの二つ
妖怪アパートの幽雅な日常① 夕士
妖怪アパートの幽雅な日常① 寿荘
コミックスでは 第1巻のこの1話
第1怪 夕士と寿荘
ほぼほぼコミックスに準じた話の進展になるのかな?と思わせる話数です。
あらすじ
基本的にマンガと同じで、ほぼコミックス1巻第1怪通りに進みます。
寮のある城東商業高校に合格し、両親を亡くして以来厄介になっている叔父さんの家を出られると希望に溢れていた主人公稲葉友士の元に、その寮が火事で全焼したというニュースが飛び込んできて、反射的に「オレ、なんとかします!」と叔父さんの家から飛び出す夕士。
気づくと高校のある鷹の台駅まで来ていて、アパートを借りるというアイディアを思いつき不動産屋に入るものの、ろくに相手にされず、自分が何もできない子供であると思い知らされて落ち込んでいるところにふっと現れた少年。その子が教えてくれた「前田不動産」に行ってみると、人の良さそうなおじさんが親身に話を聞いてくれ、家賃2万5千円、賄いつきのアパートを紹介してくれる。
そのアパートの名は「寿荘」。行ってみるとそこは……
詳しくはコミックス版のあらすじをどうぞ、読んだら帰ってきてね。
アニメならではの演出
あたり前のことですが、アニメでは色がつき、動き、声がつき、効果音や音楽が流れます。
同じ作品を小説、マンガ、アニメで見比べると、やっぱりアニメはリッチな表現ができるメディアだなぁと思うのです。
その音楽が流れるとあのシーンを思い出す、とかっていうのは映像作品ならではの楽しみ方だし、この声や音、曲をもって小説やマンガに戻ってみると、文字や平面的な静止画が立体的になって自分の中だけで動き出してくれる。そういう楽しみ方ができるのは多メディア展開されている作品ならでは。
そんな中からいくつか、ああアニメだからこんな描き方ができるんだなと思ったポイントをご紹介。
「前田不動産(有)」を教えてくれた小さな男の子
ぼんやりと言うよりむしろ透けてる、といった方が正しいこの描き方は、この男の子が普通の人間じゃないってことをストレートに見せてくれるな、カラーならではだな、と思います。
るりるりのテーマ曲?
夕士ウェルカムディナーのとんかつがドーンと出て、匂いにつられわらわらとみんなが食堂に集まってくる時に流れる曲。
妖怪アパートの幽雅な日常はサントラCDが出ていないので、曲名などは分かりませんが、アパートのほのぼのとした日常が描かれる場面でよく流れます。
食事シーンで多用されていると感じていて「るりるりのテーマ曲」と勝手に名づけて気に入っています。この曲が流れると、ほんわかした気分になり、なんならお腹まで空いてくるというパブロフの犬みたいなことが起きたり起きなかったりします。
黒いアイツ
黒い毛玉みたいで手足と目玉のついた、かわいいアイツ。
アニメではちゃんとエンディングに名前が出て、声優(佐々健太さん)がキャスティングされて、セリフもあります。その他の妖怪の中では破格の出世と言っていいのではないでしょうか。
カワイイです。お菓子好きみたいで、いつも長谷の高級お土産を狙っている、ほっこりさせてくれる黒いアイツ。何の役にも立たないけど、いるといいよね、っていう典型的なやつです。
みどころ
第1怪のみどころをいくつかご紹介(もちろん私見に基づいて)。
本当にしょうがないの?
しょうがない (不動産屋一同、叔父さん)
マンガにもこのくだりはあるのですが、アニメで見るとこの「しょうがない」という言葉がやたら引っかかります。
前田不動産を除く不動産屋一同、ひろし叔父さん、みんな口を揃えてしょうがない、しょうがない、といいます。
3月も終わりとなると賃貸物件はだいたい埋まっている、一人暮らしで2、3万の家賃はかなり破格、見つけるのは相当難しいし、見つかっても相当古いか何かしら特殊な条件(いわゆる曰くつき)の可能性が高いから成約してくれないかもしれない、両親のいない高校生で保証人がいないとなると貸す側としては心配、と「しょうがない」と言いたくなる事情はわかります。
しょうがない、はもともと「仕様(しよう)がない」、「仕様」つまり「手段・方法」がないってことですが、本当にしようがないのか?ってちょっと立ち止まって考えてみると実はできることはある場合が多い。
だけど、そのためにはアレとかこれとかめんどくさいことがいっぱいあって、そのめんどくさいことはやりたくない、だったり、可能性があるだけでうまく行くと決まってるわけでもなかったりするから、できる可能性のあることをすべて見なかったことにして、ザーッと一緒くたにゴミ箱に捨ててしまう魔法の言葉。
それが「しょうがない」。
その投げやり感がとても印象に残っていて、この言葉はできるだけ日常から減らしたい、と強く思わせるような描写だなと感じました。
あんまり急いで大人になることないよ
荷物開けるの手伝うよ!と勢いよくダンボールを開け始め、位牌を見つけた秋音ちゃんに夕士は身の上話をします。しんみりした空気になりそうなのを避けようと「平気です、一人で頑張らないと」と元気そうに強がる夕士に
あんまり急いで大人になることないよ
といった秋音ちゃん。 初対面なのに夕士が今までいろんなことをがまんして、一人で抱え込んできて、早く「大人」にならなきゃって無理して背伸びしていることに気づいたんですよね。
一色さんのように年の離れた大人に言われるのではなく、1つしか年の違わない秋音ちゃんに言われたから、夕士もビクッとしたんじゃないかな。 沢城みゆきさんの表現によるところかもしれないですが、この場面、この一言はアニメが一番感傷的に感じます。
鳥1、2、3
小説ではものすごく存在が薄いけれど、マンガでは少し存在が認知され、アニメでは名物になったキャラクター、鳥1、2、3。
古本屋役の杉田智和さん、フール役の子安武人さん、龍さん役の森川智之さん。 声のキャストがこの3人で、声優の無駄遣い、とまで言われたこの鳥たち、丸っこい姿に似合わない鋭い指摘をするかと思えば、もうどうでもよすぎて勘弁してほしいこととか、いろんなことをちゅんちゅんさえずります。めっちゃ好きです!
BD/DVD-Box Vol. 2 には13話にも及ぶオリジナルドラマCD「トリおろし!鳥ボイス集」がついてます。
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一色さんの目が開くとき
地下の岩風呂って普通アパートについてるもの?他にも変なこといっぱいあるんだけど?と次々湧いてくる数々のはてなをこらえきれず、ついに疑問を口にした夕士に
そりゃそうだよ、ここ妖怪アパートだもん
ね、大家さん
と平然と答える詩人一色黎明。現れた大家さんの姿を見た瞬間に気絶し、翌朝目覚めてさらにもうひとショック受け、本当に妖怪のでる(だけじゃなく住んでる)アパートだと事情が飲み込めた夕士に
で夕士くん、どうする?
と尋ねるとき、一色さんの目が薄く開きます。
この、一色さんの目が開くときって大抵なにかしら大事なこと、ぐさっとくるような鋭いことを言う時なので、目が開くと ”きたー!” となるのです。
これからも時々一色さんは目をうっすら開きいろんなことをボソッとつぶやきます、お楽しみに!
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